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カルビを産地で推す!メニュー映えするバラ肉全国ブランド牛8選

焼肉店をはじめとする飲食店で、常に人気があるメニュー「カルビ」。ご存じの通り、牛のバラ肉を指す焼肉用語です。売れ筋の部位だからこそ、仕入れや調理は各担当者の腕の見せ所。付加価値を加えたり、お客様が食事を楽しめるような趣向を凝らしたりする努力が必要です。
そこで、ここでは、牛バラ肉をお客様に薦めやすくなる、美味しいブランド牛をご紹介します。輸入牛や国産牛もいいですが、人気があるのはやはり和牛。王道的なブランドから、人気急上昇中のブランドまでラインナップしていますので、ぜひ、仕入れの際の参考にしてください。
まずは、ブランド牛をご紹介する前に、牛バラ肉=カルビについて、今さら人に聞けない基礎知識や、知っているとお客様から感心されるプチ情報についてお伝えします。
実はよくわかっていない?カルビとは何なのか知っておこう
牛のバラ肉は、肋骨の周辺の肉のことです。カルビと言うと、本場韓国では骨付き肉を意味します。そこから近い部位でも、骨が付いていない肉は「カルピ」と呼んで区別しているのです。呼吸器に近い部位で常時運動しているため、肉は少し硬めで歯ごたえはありますが、きめが細かくサシが入りやすいのも特徴的。全体で言うと、食べ応えがあってちょうど良い歯ざわりの、旨みが強い部位と言えそうです。
脂ののりも良いため、焼肉店などの飲食店では常に人気が高いバラ肉。バラの中でも肩に近い前バラという部位は「三角バラ」と呼ばれ、その中でもとりわけ第1肋骨~第6肋骨の肉を三角形に切り落とした部分は、通常の三角バラよりもサシ(脂肪分)がしっかり入るので「極上カルビ」として知られていますが、肉質自体が良くないと、くどくどしいだけであまり美味と感じられない場合もあります。
さらに希少なのは、肋骨と肋骨の間の「中落ちカルビ」とされる部位。脂が多めでこってり好きな方にはたまらない肉質です。これは「ゲタカルビ」と呼ばれることもあります。
通常カルビとして、比較的リーズナブルに提供できるバラは「マエバラ」「トモバラ」などと言われるお腹の部分。1頭の中でもとれる量が多いため、価格が安定的なのです。
それでは次に、美味しいカルビを提供するためのおすすめブランド牛を見ていきましょう。
それぞれの特徴は、メニュー上で簡潔に表示しておくと、お客様の興味を誘います。
びらとり和牛(北海道)
びらとり和牛は、北海道南西部に位置する平取町で、1頭1頭丹精込めて肥育された牛肉です。日本食肉格付協会A5ランクを獲得している上質な肉質を誇ります。知名度では松阪牛や米沢牛などのメジャーブランドより低いものの、生産の絶対数が少ないことから、メニューにあると一目置かれる名ブランド牛です。
「びらとり和牛の特徴とバラ肉おすすめの食べ方は?」
厳しい冬の寒さを乗り越えた和牛に凝縮される旨味は、焼肉通も唸るほど。芸術品とも評される霜降りは品が良く、舌触りが滑らかなことで知られています。極寒の地で育った和牛ならではの味の濃厚さも自慢であるため、カルビで供する場合でも、塩や薄めのタレで味そのものをお楽しみいただくのがおすすめです。
上州和牛(群馬県)
上州和牛は、群馬県内で肥育された由緒あるブランド牛です。厚生労働省からも認定済みの群馬県食肉卸売市場で徹底した衛生管理のもと、厳しい安全面の検査を受けています。豊かな自然の中で育まれた質の高い和牛は、全国屈指。5年に1度開催される全国和牛能力共進会の大会でも上位入賞の経歴を持っています。
「上州和牛の特徴とおすすめの食べ方は?」
麦類を多く配合された高品質な飼料を食べて育った上州和牛は、風味が良くて味わい豊かです。霜降りがしっかり入ったバラ肉はやわらかく、見た目にも食欲をそそる美品。伝統的な和牛の上質なカルビですので、塩かわさび醤油などであっさり召し上がっていただくのがおすすめです。
紅の牛(栃木県)
紅の牛は、栃木県内で肥育された褐毛和種のブランド牛です。黒毛和牛に人気が集中する焼肉業界でも、その美味しさで注目度が急上昇しています。オレガノなどのハーブを多種類混ぜ、質の良い穀類をブレンドしたこだわりの飼料と、生活環境にも配慮されストレス少なく育てられた牛の肉質は、1度食べたらやみつきになる美味しさで、感度の高い飲食店ではメニューに取り入れる店舗が増えています。
「紅の牛の特徴とおすすめの食べ方は?」
食事や睡眠環境にまで目配りして育てられる効果で、たいへん高い肉質を誇る紅の牛。人の味覚に旨味や甘みとして感じられるグルタミン酸の含有量は、通常の黒毛和牛の倍と言われています。しっかり火を通してもぱさつきなどがなく、冷めてもベトベトしにくい脂も特徴的。薄切りのカルビでも濃厚な味わいを楽しめるほか、ステーキ状の厚切りで岩塩を添えて供するのもおすすめです。
飛騨牛(岐阜県)
飛騨牛は、岐阜県飛騨地方を中心に肥育された全国屈指の黒毛和牛です。岐阜県内で14ヶ月以上肥育された黒毛和種であること、肉質格付ランク上位であることなど、認定される条件の厳しさはもちろん、「肉のオリンピック」としても有名な全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞受賞、最優秀技肉賞2連覇達成など、華々しい経歴を持つ、名実共に最高クラスの和牛です。
「飛騨牛の特徴とは?」
飛騨牛の特徴は、赤みとサシのバランスの良さ。しっかりと旨味を味わえながら、しつこくない脂身で、バラ肉の肉色もたいへん美しくお皿映えもします。飛騨牛という、もはや説明不要のキングオブブランド牛ですので、メニューにあるだけで一目置かれることでしょう。
近江牛(滋賀県)
近江牛は、滋賀県内で最も長く肥育された黒毛和牛です。全国でも3大和牛に数えられる由緒正しい名牛で、枝肉格付がA4B4等級以上などの厳しい審査基準があるほか、協議会の構成団体の会員にしか肥育が認められていません。また、近江牛の中でも選りすぐりの逸品として「認証近江牛」という最上位ランクの近江牛が別にあることも要注目。
「近江牛の特徴とおすすめの提供のしかたは?」
赤みと脂肪の入り混じっている様子をサシと呼びますが、近江牛の大きな特徴の1つがそのサシの美しさ。火を通しても消えないとされる見事なサシです。水分の減りが少なくぱさつきがないので、カルビとして提供するのであれば、薄切りでさっとあぶるのがおすすめです。こうすれば、女性のお客様にもたくさん召し上がっていただけるのではないでしょうか。
但馬牛(兵庫県)
但馬牛としての認定を受けるには、神戸肉流通推進協議会による厳しい基準を通らなければなりません。松阪牛や米沢牛など世界に誇る黒毛和種の肉質改良のために種を使用された「素牛」としても知られる、まさに国産ブランド牛の先駆です。
「但馬牛の特徴とは?」
山野草を好む但馬牛は、体や胃が丈夫で、肉質も適度に締まりが良く、かつ十分にサシが入って口溶けも最高です。脂肪の質の高さは科学的に立証されているほど。舌の肥えたお客様にも安心してお出しできる特上カルビを仕入れることができるでしょう。
讃岐牛(香川県)
讃岐牛とは、香川県内で肥育された、たいへん上質な肉質の黒毛和牛です。肉質格付15等級のうち、上位4等級に相当することなどの厳しい基準があります。香川県は畜産の歴史が古く、高い肥育技術が有名。讃岐牛の中でも、讃岐牛銘柄推進協議会が定めたオリーブ飼料を与えて育ったものを特に「オリーブ牛」として売り出し、その美味しさに注目が高まっています。
「讃岐牛の特徴とは?」
讃岐牛はその霜降りの美しさが最大の特徴です。まろやかな口当たりで、カルビとして提供しても品良くさっぱりと召し上がっていただけるでしょう。
宮崎牛(宮崎県)
宮崎牛とは、宮崎県内で生まれて飼育された黒毛和牛です。肉質格付でも4・5等級以上にしかその称号が与えられません。全国和牛能力共進会の大会での受賞歴は数えきれず、但馬牛同様、素牛としても活躍するブランド牛の中のブランド牛として揺ぎない地位を獲得しています。
「宮崎牛の特徴とは?」
宮崎牛は、サシと赤みの絶妙なバランスが有名です。味は濃く、ジューシーでありながらしつこさがないので、カルビとして提供するには最高と言えるでしょう。
牛バラ肉のまとめ
輸入牛も高品質なものが多く見受けられる昨今ですが、飲食店で根強く人気があるのはやはり、国産牛・和牛です。国産牛よりさらに高級感をアピールできる黒毛和牛の業務用バラ肉の卸売相場は、ノーブランドでも\1,200~\6,000/㎏程度と幅があります。
ご紹介したブランド牛では、最高級の飛騨牛でも業務用卸売価格\2,900/㎏~と比較的リーズナブルですが、希少部位ですと、業務用でもキロあたりの卸売単価がはね上がるケースもしばしば。高品質のものをいかに安く仕入れるかは、担当者の腕にかかっていますね。
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